発病するとかなり衝撃的な姿になってしまう、金魚の鱗が逆立つ松かさ病。先に言ってしまうと中々治療するのは難しい病気ですが、知っているだけでも対処法や、松かさ病にかからないようにする対策は多少なりとも練ることができると思います。松かさ病は体力がついたら自然治癒するとかそういう類の病気ではないので松かさ病についてはぜひ知っておいたほうが良いでしょう。
Contents
松ぼっくりの様にうろこが立つ松かさ病(実はベタでもグッピーでもメダカでも他の魚でも感染する)
見出しでも書いたように金魚やメダカなどいろいろな観賞魚で見られる松かさ病という病気は、誰もがみるような病気ではないかもしれませんが、発症してしまうと治りにくい難病ともされています。
お魚さんの死の病とも言われるほどなんです・・・・(T_T)
松かさ病について
それでは松かさ病について触れていきましょう。
松かさ病の原因
松かさ病の原因は運動性エロモナス菌(グラム陰性菌)と呼ばれる細菌で、特に松かさ病をひきおこすのはエロモナス・ハイドロフィラという細菌で、pHが下がっている状態・水質が悪化している状態で発生しやすいです。
エロモナス菌は人間でいう大腸菌のようなもので金魚と言わずいろいろな魚の腸にいる常在菌です。感染する原因となるのはやはり、水質の悪化(phの降下)や金魚がストレスを受けて弱っているときに感染しやすくなります。また、このエロモナス・ハイドロフィラは極めてまれですが人間にも感染するようです。
松かさ病の初期症状で発見することが大事
なかなか見つけにくいのかもしれませんが、松かさ病は、病気が進むと完治が難しくなる場合も少なくありません。そういったことで何よりも松かさ病の初期症状が出た時点で気にかけておくことが大事です。
具体的に松かさ病の初期の症状といっても鱗が少しずつ浮いてくるといった症状なので早い段階では気が付かないことが多いかもしれませんが、できるだけ愛情をもって
金魚の体を日々観察してあげるのが大事ということですね。
松かさ病の参考動画
松かさ病にかかるとどうなる?症状は?完治させるには初期に発見したい!
それでは金魚(観賞魚)が松かさ病にかかった場合は、どういった症状がでてくるのか書いていきます。松かさ病に感染すると上の動画のように、鱗を包む鱗嚢(りんのう)に水が溜まり鱗が逆立ちます。ほかにはヒレぐされや尾ぐされ、口の潰瘍などがでてきます。
さらに、この記事の最初のが写真のように眼球が飛び出し、体がまつぼっくりのように腫れ上がってきます。その後の金魚の症状は、食欲がなくなり、エロモナスの毒素により、エラの機能不全による低酸素症や内臓にも疾患がでてきて死亡してしまいます。
松かさ病は病状が進むと完治が難しい状況になってきますが、初期症状など早い段階で発見できれば完治の可能性も上がってきますので、ぜひ早い段階で見つけてあげたいところです。
金魚が松かさ病になった!松かさ病の治療方法や治療薬は?
初期の松かさ病は初心者には見分けづらいかもしれませんが、特徴としては金魚を上からみて体長が縦に成長せず、横に広がってきたら松かさ病という可能性があります。金魚が松かさ病にかかったと思ったら一刻も早い治療がおすすめです。それでは実際に松かさ病に効く薬を投薬する、または薬浴させるタイミングを考えてみましょう。
絶食させてを治療する(経口投与する薬剤餌は与える)
松かさ病の治療方法ですが、まず水槽を綺麗に掃除し金魚を絶食させ、薬剤餌を与えるようにします。薬剤餌は薬剤のエルバージュやグリーンFゴールド顆粒を餌に染み込ませたものを1日10粒程度与えるようにします。金魚の餌に薬を混ぜて金魚のお腹の中にいる松かさ病を引き起こすエロモナス菌を直接攻撃することで治療しようということですね。
薬浴させて松かさ病を治療する。薬・治療薬と使い方
松かさ病の金魚を薬浴させる場合、治療薬は観パラDや観賞魚用エルバージュ、グリーンFゴールド顆粒などで薬浴すると効果的です。0.5~0.6%程度の濃度の塩水をつかって塩水浴と併用すると良いでしょう。
うろこの形状が違う金魚、ピンポンパールの松かさ病は水疱症?
松かさ病は魚の鱗が逆立つ病気ですが、ピンポンパールやパールスケールなどとされる金魚は、普通の魚とは異なる鱗の構造をしていますよね。じゃあ、ピンポンパールやパールスケールなんかは松かさ病なんてかからないんじゃないの?と思うかもしれませんが、もちろんそんなわけなく、松かさ病とは症状が違いますが水疱症という症状を発症します。
この水疱症の症状はというと、発症すると金魚の鱗に水溶液がたまり、金魚の体が全身水ぶくれのような状態になります。この症状はピンポンパールなどと同様の形状の鱗をもった魚にのみ現れるものですが、原因はエロモナス菌で松かさ病と同じだと考えられています。症状の違いはあれどピンポンパール版の松かさ病のような感じですね。
ちなみにこの水疱症はガマガエル症候群や風船病とも呼ばれているそうです。原因がエロモナス菌ならば治療方法や防止方法も松かさ病の治療の知識が役立ちますね。
金魚の松かさ病を予防するには?松かさ病はうつるの?感染するのか?
松かさ病を予防するにはエロモナス菌の感染を防ぐ必要があります。それではどういった方法で予防すればいいのでしょうか。また、松かさ病はうつるのでしょうか?
金魚の過密飼育を避ける
松かさ病は、環境の悪化によるストレスで金魚が弱ったときや、水質が悪化した時に感染しやすいので水質の悪化にも直結することになる過密飼育はさけるようにしましょう。金魚の排泄物の分解などにバクテリアが間に合わなくなるので水質の悪化が早くなります。
金魚の水槽の水質の徹底管理
全項目の過密飼育による水質悪化を防ぐのに加え、やはり、普段から水槽内の掃除なども徹底する必要があります。底砂にたまった糞や餌の残り、濾過フィルターのお手入、日々の餌を与えすぎないということも綺麗な水質を保つのに必要になります。
金魚の松かさ病はうつる?
金魚の松かさ病が他の金魚に感染する、うつるのか?ということですが、金魚の松かさ病が直接他の金魚に感染するかというと何とも言えませんが、少なくともその水槽内には、松かさ病の原因であるエロモナス菌などがいるわけですから、金魚から金魚の感染じゃなくても他の金魚も松かさ病になる可能性は高いといえます。松かさ病がうつる、うつらないはどうでもいいとして、まずは環境を改善するようにしてください。
水槽をリセットし底砂まで綺麗に洗う
これは松かさ病を金魚が発病してしまった後になるかもしれませんが、エロモナス菌を駆除し、悪化した水質をリセットするため、水を全入換えし、水槽の中にある底砂などはすべて丸洗いする必要があります。底砂などは濾過に有効なバクテリアが繁殖しているので全て洗い流すのはもったいないと思うかもしれませんが、エロモナス菌を駆除するために必ず、飼育水ではなくカルキの入った水道水で洗ったり、天日干しするようにして殺菌するようにしてください。
松かさ病で悩むくらいなら殺菌灯という考えも!?
一応参考までにあげておきますが、殺菌灯で菌を殺してしまうという手もあります。ただ、この方法はなにせランニングコストがかかったりとデメリットもあるので、さすがに初心者におすすめするようなものでもありません。
ただ、うまく使うことができればグリーンウォーター化やコケの発生を抑えたり、病気の元になる菌を殺すことで魚が病気にかかりにくくなったりと、それなりにたくさんのメリットもあるので、どうしても病気になってしまう方や、お金に余裕があったり維持費が上がってもいいから魚を死なせたくないという人は検討してみるのもいいのではないでしょうか。
下に載せているテトラの殺菌灯はすごく評価が高いですが私もまだ導入はしていません(笑)
松かさ病について:まとめ
何度もいいますが松かさ病は水質悪化が一番の理由という病気ですのでとにかく、綺麗な環境を保つことが大切です。一度感染すると治療に時間がかかるとも言われている病気でもありますので日頃から水質管理をしっかりして松かさ病を防ぐようにしましょう。
今まさに松かさ病で金魚が死にかけているという人にしてみるとあまりお役に立てない記事だったかもしれませんが、皆さんの可愛い金魚が病気から治ることをお祈りしております。