金魚の産卵と繁殖・・・・、アクアリウム初心者なら、とても興味がありますよね。金魚が増えた!という人は割と少ないような気がしますが、昔から繁殖が重ねられてきた観賞魚なので手順と環境を知っていればきちんと繁殖させることもできるんですよ(^^)
Contents
- 1 金魚の産卵~繁殖を成功させるには?
- 1.1 金魚が産卵・繁殖行動・求愛行動を始める条件。金魚の繁殖期は?産卵前の兆候
- 1.2 親となる金魚について 金魚の産卵の年齢
- 1.3 金魚の妊娠を見分ける!(正確には妊娠ではないですが)
- 1.4 金魚の産卵、繁殖の準備
- 1.5 親となる金魚を選んだら繁殖・産卵させてみよう
- 1.6 金魚が産卵したら金魚の卵を採卵し、別容器やサテライトに隔離する
- 1.7 金魚の卵が孵化する条件、時間や水温について
- 1.8 金魚の卵にエアレーションは必要か?
- 1.9 塩素(カルキ)抜きした水なら必ず大丈夫というわけではない
- 1.10 金魚を増やしたくない!産卵をやめさせたい場合はどうするの?
- 1.11 金魚を産卵・繁殖させるということについて
- 2 金魚の産卵~繁殖についての手順!金魚の卵を育ててみよう。:まとめ
金魚の産卵~繁殖を成功させるには?
金魚は長い間、人間の手により品種改良を重ねられてきたことからわかるように、比較的容易に産卵、繁殖させやすい観賞魚です。その容易さから現在のような美しい姿に品種改良することができたといっても過言ではありません。金魚の品種改良は誰にでもできるものではないかもしれませんが、産卵~繁殖させることに挑戦することはできます。自分で卵から金魚を育ててみたい方は是非、挑戦してみましょう。
金魚が産卵・繁殖行動・求愛行動を始める条件。金魚の繁殖期は?産卵前の兆候
金魚の求愛行動は交尾などではなく金魚のオスがメスに繁殖行動を行うためにするアピールする追尾行動のことを言います。追尾行動が始まる前の兆候として、メスの金魚のお腹に卵が作られ、下腹部が膨らんで、金魚の体に横方向の厚みがでてきますが、まずは金魚が求愛行動を始めるための条件を整えることから考えていかなければいけません。
それでは金魚の求愛行動を行う為の条件について解説してみます。品種や飼育環境などによっても金魚の求愛行動・繁殖行動を見せるタイミングは変わってくると思うのであくまで参考として下さい。
金魚の求愛行行動が見られる期間は、比較的長い期間に及び、冬を越えた後、春から秋にかけて水温が20℃ほどの期間が続くと観察することができます。この水温の期間が金魚の繁殖期ということですね。(もちろん、日照時間なども関係しているはずなので、冬にたまたま水温が高い日が続いても金魚は卵を産まないでしょう)
金魚以外の観賞魚でもよく聞く話ですが、水換えなどによる水質の変化や比較的、急な水温の上昇などによっても金魚の求愛行動のスイッチがはいる場合もありますので、中にはこれを狙って水換えをする人などもいるほどです。
理由は、金魚のえらのあたりから尾ヒレぐらいの長さにある側線と呼ばれる期間が、急な水温変化や水圧・水質の変化によって求愛行動・追尾行動が促されるとされています。下の動画はまさに水換えによる刺激で追尾行動が始まった金魚の様子です。
金魚はよく冬を経験させると産卵するなどといいますので、水換えや、水温の変化で四季の変化のような状態を金魚に感じさせるということなのでしょうか。ちなみに、個体差や細かい環境の差はありますが、ヒーターをいれて年中加温しているような環境では季節を関係なく追尾行動を行ったり卵を産む場合もあります。
親となる金魚について 金魚の産卵の年齢
経験のあるブリーダーさんならいうまでも無いと思いますが金魚を産卵させる場合は、親となる金魚をよく厳選しておいた方が産卵・繁殖の楽しみが増えることでしょう。金魚は何年~何十年~何百年という年月をかけて品種改良されてきた観賞魚です。こんな金魚がつくりたいといった明確な目的がある場合でなければ、同じ品種同士の状態の良い金魚を種親として使うべきです。
せっかく先人達が作りあげた金魚の系統が雑種となってしまうのはもったいないことです。そういったことから、十分に餌を食べさせ、十分い太らせた体型の美しい個体を選んで親の金魚とすることをオススメします。親となる金魚を大きく元気に育てておくには、アカムシやミジンコなどの活き餌を与えておくのもいいでしょう。
また金魚の産卵の年齢ですが、生まれてから一冬超えれば産卵することがあります。ですが一般的には金魚の産卵・繁殖の適齢期はオスが2歳~4歳、メスが3~5歳とされています。
金魚の妊娠を見分ける!(正確には妊娠ではないですが)
金魚のオス・メスは追尾行動で追いかけられていた方が当然メスになりますが、金魚のメスの妊娠(というか卵がお腹にできた状態)を見分ける方法はどういったものがあるのでしょうか。
金魚のメスは産卵前、お腹に卵が作られると下腹部のあたりが膨らんで横方向に厚みがでてきます。これが金魚がお腹の中に卵を作っている状態です。
ただ金魚がかかる病気によっては体が膨らんでくる病気もあります。松かさ病なども初期症状だと体がふっくらしたように見えるかもしれませんよね。そういった病気の場合は、先に書いたような体の膨らみ方とは違いますので十分に注意して下さい。
まったく産卵期ではない時期に、不自然に体が膨らんでいるときは病気の可能性も疑うようにしましょう。
ちなみに上で金魚の場合、妊娠ではないといったのは、金魚はお腹の中で受精させる卵胎生ではなく、メスの体外に卵を放出した後にオスが放精し受精させる卵生なわけですから、妊娠とはならないんですね。
そして、そのような方法で受精させるのですから、当然、金魚の追尾行動や繁殖行為は金魚の交尾というふうには呼ばないんですね。
まあ、個人的には金魚の妊娠でも、金魚の交尾でもいいんですが、正しくは違いますということです。
さらに余計なことですが、初心者なのだと思いますが金魚が卵をうむのか?子供を生むのかも割っていない人もいるようです。
何度も言って申し訳ないですが金魚は卵を体の外で受精させる卵生なんです。
金魚の産卵、繁殖の準備
金魚の卵を回収する際は、金魚が卵を産み付けた魚巣を回収すればよいのでアナカリスなどの水草をいれておけば、金魚が卵を産み付けてくれます。下の写真のような産卵藻も販売されていますので利用してみるのもいいでしょう。また、金魚は卵も生まれてきた稚魚も親の金魚が食べてしまいますので、金魚を繁殖させたいと思えば卵と親魚を隔離する為の別のケースを用意する必要があります。
金魚の産卵床はマツモ、アナカリス、カボンバなどの水草やシュロなど。
金魚の産卵床として一般的なものはマツモ、アナカリス、カボンバなどの水草、またはシュロなどがいいでしょう。ただ水草類は特に枯れないようにしないといけないことと、金魚の数と水草のバランスによっては産卵床にするはずの水草が金魚に食べつくされる可能性が高いです。
ですので個人的には下のような人工的なものやシュロなどがのほうがおすすめできます。
親となる金魚を選んだら繁殖・産卵させてみよう
下の写真のようにエラの周辺やヒレの付け根あたりに追星と呼ばれる白い点々がでている金魚はオスで繁殖期であり発情の合図となります。親となる金魚を選ばない場合は、複数の金魚をいれていてもいいですが、自分の好みの金魚同士で掛け合わせたい場合はペアにして飼育したりすると良いでしょう。
オスの追尾行動が始まり、メスを執拗に追いかけ回すことになりますが、それが当然の流れです。うまくカップルが成立すれば、そこからメスの産卵、オスの放精が何度か繰り返され産卵された金魚の卵は受精することになります。
オスの放精については水が白くにごるので飼育者の目でも確認することができます。
金魚が産卵したら金魚の卵を採卵し、別容器やサテライトに隔離する
下で紹介している動画ではホテイアオイや水草に産み付けた金魚の卵を隔離しています。金魚の卵を親の金魚と同じ飼育容器にいれたままにしておくと、どんどん親の金魚が卵を食べてしまいます。無事に孵化することができたとしても産まれたての稚魚は親の金魚に食べられてしまいます。もし、確実に金魚を孵化させたい場合は親の金魚とは隔離しての別の容器やサテライト水槽に移すようにしましょう。
金魚は一度の産卵で数百個の卵を産んだり合計で10000個の卵を産んだりとすごい数の卵を産みますので、ブリーダーでもない限り全ての卵の孵化を目指すの必要もないと思いますが・・・。
さらに一度失敗したとしても金魚は、春から秋までの数ヶ月間、最初の産卵から1~2週間おきに産卵を何回もくりかえすことになりますので、多い場合の金魚の産卵回数は10回どころじゃないですね。卵の個数も凄まじい数になります。に
金魚の卵が孵化する条件、時間や水温について
産まれた金魚の卵が孵化する条件ですが、目安としての卵の孵化までの期間は5日~7日ぐらいになります。水温の差により、早く孵化したり、遅くし孵化したりということもあります。水温については常に20℃以上を心がけましょう。だいたい20℃~22℃程でよいでしょう。
金魚の卵にエアレーションは必要か?
金魚の卵に酸素は必要か?ということになりますが、もちろん必要になります。できればエアレーションして酸素を供給するようにしましょう。ただし、エアレーションするといってもエアーの泡を直接、卵にぶつけるのではなく水流を卵に当ててあげる・水流を発生させておくだけでよいです。水流が発生していれば酸素も溶け込んでいるので、もともと微量でも水流がある場合は特別にエアレーションしなくても大丈夫な場合もあります。
塩素(カルキ)抜きした水なら必ず大丈夫というわけではない
金魚の卵を孵化させる為に、塩素(カルキ)抜きした水に入れておいたら、卵が全滅したということもよくあります。塩素(カルキ)を抜いただけの水は、水を濾過するバクテリアがいない為、あっという間に水質が悪化する可能正が高いです。そのため、新しい水を使用する場合は水が悪化する前にはやめに水換えをする必要があります。
その状態を防ぐために、卵の孵化が近づくまで塩素(カルキ)を抜いてない水に入れていたり、メチレンブルーを入れていたりという方法もありますが、簡単なのは、濾過バクテリアのできあがった飼育水を使用するという方法です。エアレーションなどで軽く水流を与えて酸素を溶け込ませることはバクテリアにとってもいいことですね。
金魚を増やしたくない!産卵をやめさせたい場合はどうするの?
金魚は条件を満たせばどんどん産卵し、まともに育てれば大変な数になりますし、手間にもなります。また、繁殖行動による放精などで水は白く濁り痛みます。それでは金魚に産卵をやめさせるためにはどうしたらよいのでしょうか?方法はいくつかありますが、少し例をあげてみます。
前述したとおり、冬を経験させることにより、産卵をするようになるので、冬を感じさせないように年中ヒーターで加温飼育して、金魚に冬がきた、夏が来たといった季節感を感じさせないようマヒさせるという方法があります。水温が下がる冬に金魚の体が抱卵の準備を始めるので、金魚を冬眠状態にしなければそもそも抱卵?する(お腹に卵を作る)こともほとんどなくなります。
他にはあまり現実的ではありませんがオスとメスを別々に飼育するという方法もあります。
金魚を産卵・繁殖させるということについて
今回は金魚はの産卵、繁殖までについて書いてきましたが、全ての金魚の卵を孵化させようとすると大変な数の稚魚が生まれてくることになります。一般の家庭では当然そのような数を飼育することはないのでなんらかの方法で処分することになります。
人にあげたりショップに引き取ってもらったりという方法が可能な方はよいですが、ほとんどの方は飼育できないから殺すしかない状況になってしまいます。もちろん、自然に放流するということは生態系を壊すことになりますので厳禁です。
そのようなことを踏まえたうえで、繁殖を考えたときは欲しい数だけの卵をとるなどといった方法をとってはいかがでしょうか?先人達が品種改良を行ってきた上で、できあがった美しい魚とはいえ、新しく産まれてくる金魚も命には変わりはないので、孵化させておきながら無駄に死なせるような状況は作りたくないですね。
金魚の産卵~繁殖についての手順!金魚の卵を育ててみよう。:まとめ
いかがでしたでしょうか。金魚は産卵~繁殖をさせやすい魚ですので容易に増やす事ができます。もし、金魚の繁殖を考えている方がいたら参考にしていただければ幸いです(^^♪